びっくり。

そして、とてもショック。

デビューしたときから所謂アイドル時代は綺麗で歌の上手いお姉さんだった。

脱アイドルの第一歩となったミュージカル「ミスサイゴン」は東京まで観に行った。

特別ファンというほどではなかったからわざわざCDを買ったりはしなかったけど、彼女の歌声はとても好きだった。



22歳のとき、中学のときのクラスメートの男の子が同じ白血病で亡くなった。

昔から色がとても白くてよくからかわれていた。

でも、中学生なのにどこか大人びていたその男の子は転入生であったのにたちまち友達を増やしバンドを作り、高校〜大学でも頑張っていた。

明るくて男らしく、女子にも好かれていた。

大学は東京に行ったため成人式でしか会うことはなかったが、式の日数年ぶりで会った彼は相変わらずのままだった。

そのたった二年後の悲報だった。

友人から電話が来た。

最初から声が震えて、一言、

「O君が亡くなった」

と言った途端泣き出した・・・。

彼女は当時学級委員をしていたので、女子への連絡をあちこちにしていたのだろう。

私には何番目に連絡したのかは分からないが、伝えることの責務を終えたとき、頑張って堪えていた悲しみの糸が切れてしまったのだろう。

私は特別彼と親しかったわけではないが、それなりに話はしていたし、人柄は好きだった。

思えば彼が私のクラスに転入してきたとき初めて座った席は私の隣だった。

教科書が揃うまで、同じ本を2人で見ていたなぁ・・・など思い出すにつれ私も涙が溢れて、2人で電話でしばらく泣き続けていた。

告別式へ参列したとき、闘病中の話を少し漏れ聞いた。

彼にはとても可愛い彼女がいて、東京で入院している間毎日お見舞いに来ていたそうだ。

そんな彼女に彼はいつも、

「俺は死なないから大丈夫だよ。お前を残したりしないから」

と、話していたらしい。

お互いの両親とも交流があり、恐らく生きていれば、今ごろは結婚し子供が産まれ家族を持っていたことだろう。

それでも病気とは皮肉なもので、彼の弟さんとの骨髄移植が決まり明日には手術だという日に急変し、そのまま還らぬ人となってしまった。

斎場では彼が作り歌った歌が流れ、祭壇の脇には愛用のギターが置かれていた。

22歳の秋である。

まだ学生だった。





今日の本田美奈子さんの訃報を聞き思い出した。

彼女の冥福を祈り、彼の安らかな眠りが続いていることもまた祈ろうと思う。

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